外国人学生が, フランスで博士課程に進むには政府と研究期間によるセキュリティチェックを受けなければなりません. 教授から内定をもらっても, この審査を通らなければ博士課程には進めないようです…私の体験を備忘録として書きます.
目次
セキュリティチェックとは
フランス人以外(もしかしたら非EU国民)は, フランスの公的研究機関で博士課程に進む場合,研究機関の防衛保安担当または,フランス内務省のセキュリティチェックを受けなければなりません. セキュリティチェックを通過できなかった場合は, たとえ内定があっても博士課程には進めないそうです.
よっぽどの事情がない限り、セキュリティチェックは通過するようです(出処:研究室の教授)。過去に犯罪歴があったり、テロに関与していたり、政治的に不安定な国出身であったり等。
セキュリティチェックの対象者
工学分野で研究機関にて博士課程に進む場合は, セキュリティチェックがあるようです(出処:わたし).私はコンピュータサイエンス系の研究所で博士課程をしますが, 教授の話によると, セキュリティに関係する研究室は比較的厳しいようです.
私はARやVRで, 国防にあまり関係ない(?)ので, そこまで厳しくないようですが, セキュリティチェック完了まで2,3ヶ月くらい待ちました.
人文学系・心理学系の博士課程ではセキュリティチェックはないようです.(出処:Université Paris Citéで心理学の研究を行なっている中国人学生)
セキュリティチェックで必要なこと
セキュリティチェックとは言っても,こちらがすることは特にありません. 配属予定の機関の担当者から質問がくることがあるので, その場合は返信する必要があります.
わたしが受けた質問
出生地がドイツであるが,二重国籍か.
私は出生地がドイツなため,質問されましたが,日本で生まれた場合は質問されません. ドイツの国籍も持っていた場合は, EUのため手続きが簡素化されたのかもしれません. 予想ですが.
学部卒業後に空白期間があるが, 何をしていたのか. 無職の場合は無職と記載したCVを送付してほしい.
私は, 学部卒業後に3社で勤務し, 修士に入学しました. CVでは, 最新の職歴しか記載していなかったため, 学部卒業後から2年間空白期間となっていました. そのため, 学部卒業後の職歴を全て記載したCVを提出しました.
先輩が受けた質問
先方の研究室の留学生(韓国国籍)に問い合わせたところ, 彼は以下のような質問を受けたそうです.
韓国政府が関連する研究プロジェクトに参加履歴があるが, まだ続いているのか.
おそらく政府関連のプロジェクトに入っている場合は, 手続きに何らかの影響がありそうです. ただ既に終わっている場合は大丈夫みたいです.
最後に
セキュリティチェックに関しては, 日本語の情報はなく, アメリカのSNS, redditでしか情報を得られませんでした. What’s the security check duration for a non-EU PhD student to enroll to a lab in France?
研究室の秘書さんから「セキュリティチェックが通らなければ、博士課程は残念ながら進めない」と言われたときはヒヤヒヤしました. 犯罪歴ない限り通りますので, ゆっくり待ちましょう。
フランスのビザ発給までの所要期間についてまとめました. 間違っている部分や追記あれば, 遠慮なくこちらから教えてください.
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